
電子書籍リーダー
ブラジルはアマゾン川流域の熱帯雨林地帯で広範囲に起きている火災が、現在世界的な問題になっています。「地球の肺」とも表現されるこの地域は、地球上に存在する熱帯雨林のほぼ半分を占め、CNNの報道によると地球の酸素の20%を供給するとのことです。この火災問題の行方はまだ不透明ですが、しかしこの火災の原因の一つが森林資源の伐採であると言われている以上、自然を守るためには今後よりエコロジーな社会を目指す必要があるということになります。 電子書籍リーダーの登場 現在そのような観点からも再度注目されているのが紙でできた本の代替品、電子書籍リーダーです。そしてそのトップを走るのがアマゾン(偶然にもアマゾン川から取られた名前ですが、特にエコロジーの意味合いはないとのこと)のKindleになります。2007年に米国で発売されたKindleは、米国では直ぐに人気を博すことになり、2011年にはKindle版の書籍の売り上げが紙の書籍の売り上げを上回ることになりました。そして翌2012年満を持して日本版のKindleが発売されます。一度に大量の書籍を持ち運べ、新しい書籍もインターネット接続で直ぐに購入可能。値段もどんどん安くなり、そしてエコロジーの観点からも優秀。これほど利便性の高いKindleですが、しかし日本では思ったように普及が進んでいないのが現状です。 日本で電子書籍リーダーの普及を阻むもの 2018年に総務省が発表した「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、2017年度まででの電子書籍リーダーの世帯所有率16.3%、そして利用率は6.1%と、そもそもKindleだけではなく楽天のKobo、ソニーのReader等も含めた電子書籍リーダーそのものが日本では使用されていないという現状がわかります。では世界的には大きく普及している電子書籍リーダーが、日本では何故これほど普及しないのでしょうか? まず最初は品揃えの問題があります。例えば米国では、出版社が紙、電子両方の書籍の著作権を一括管理しているため、電子書籍化の手続きが容易にできるということがあります。日本ではこれまで出版社が著者と電子書籍に関する契約を行っていませんでした。そのため電子化に当たってはまた個別に契約を行う必要があり、時間も手間もかかっているというのが現状です。次いで印刷所の問題もあります。印刷所で電子化に対応出来ている所がまだ少ないということです。そして最後は値段の問題です。海外のアマゾンのサイトを覗いてみるとわかりますが、紙よりもKindle版の値段はかなり安く設定されています。しかし日本では大手出版社の力が強く、それほど安くすることができないのです。