耳にする機会が増えたエコハウスという言葉ですが、具体的にどんな家のことか理解している方はあまりいないでしょう。とはいえ環境省が「21 世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」と銘打ってエコハウスの促進事業を行っているので、今後はより認知されていくことは間違いありません。しかし実を言うと現在呼ばれているエコハウスには、きっちりとした定義はありません。環境への負荷を減らした対策を講じた家を総じてエコハウスと呼んでいて、その内容にについての具体的な取り決めはないのです。そのため定義付けをすることは難しいので、ここでは現在エコハウスと呼ばれている家で行われている環境対策がどのようなものか、ということをまとめてみました。
建築素材への配慮
断熱性や気密性のある建築素材を使用することで冷房などの使用量を減らし、CO2排出量を減らすことに繋げるというものです。この取り組みは海外の方が先んじていて、ドイツなどは壁の断熱材が40㎝を超える場合もあるそうです。そこまでしてもエネルギーロスを少なくした方が、総合的に環境に配慮できるということです。またエネルギーロスを少なくするには、機密性を高める必要があります。そうなると、もし化学物質を発散する素材で家が建てられていた場合、その物質は閉じ込められて出ていくことが出来ないので、より人間の体に悪影響を及ぼします。そのため天然素材で建築を行う必要も出てくるのです。こういった住む人間への配慮もまたエコハウスの重要な考え方です。
太陽光発電の導入
再生可能エネルギーである太陽光発電の使用で、化石燃料を主体とした電力使用を少なくし、CO2の排出量を減らそうという取り組みです。2012年に始まった固定価格買取制度により、太陽光発電の初期導入費用も大幅に安くなり、一般への普及もかなり進んだ取り組みです。
エコライフスタイルへの意識
エコハウスへの取り組みは、そこに住む人の意識が変わるだけでも可能です。なるべく冷房を使用せず窓を開ける。暖房を使用するときはカーテンを閉めるなど、些細なことで構わないのです。また家にスペースがあるのなら、そこで植物を育てることもエコハウスに繋がります。植物には「蒸散」という働きがあり、植物内の水が水蒸気となって空気中に放出されるときに、周りの熱を奪っていくのです。それは家周辺の気温を下げ、冷房を使用しないことに繋がります。また緑にはリラックス効果もあり、住人への配慮という意味でも高い効果があるのです。